||| 牧草の種類 |||

||| 牧草もいろいろあります |||
 牧草は、豆科とイネ科に大きく分けられます。

 例えば、少し前の国産のペレットの中で主に使われているアルファルファは、豆科。クローバーも、豆科。稲わらや、チモシー、オーチャードグラス、イタリアンライグラス、スーダングラスなどは、イネ科に属します。

 豆科の牧草に比べて、イネ科の牧草のほうが、カロリーが低いです。体の出来上がったおとなのうさぎちゃんに、豆科の牧草を食べ放題にすると肥満になったりします。ご注意ください。

 また、イネ科の牧草のほうが、豆科に比べて、カルシウム含有量が低いことも覚えておきましょう。カルシウムの摂取のしすぎは、尿路結石などの病気の元になります^^

||| アルファルファだって、使い方次第 |||
 最も嗜好性が高い牧草は、豆科の牧草・アルファルファです。ただし、あげる際には十分な注意が必要になります。

 アルファルファが、絶対によくないというわけではありません。栄養価に富んだアルファルファは、上手く使えばとっても良い牧草なのです。例えば、病気や出産時の体力強化などには、栄養満点でもってこいなのです。それから、子うさぎの成長時や、妊娠や育児のときの栄養補給にも、アルファルファをあげるのも良いと思います。

 成長期のうさぎさんには、栄養補給にアルファルファを少量上げても構いませんが、体の大きさがしっかり決まった大人(7ヶ月過ぎ)になったら、食べ放題にあげるのは避けた方が無難です。なぜなら、チモシーなどのイネ科の牧草に比べて、豆科のアルファルファはカロリーが高く、カルシウムや蛋白質も豊富に含んでおり、太ってしまうのです。

 残念ながら、豆科の食物は、うさぎさんのお腹の中に、鼓腸症の元になるガスを貯めやすくしてしまうのです。カルシウム分も豊富であることから、成長の終った大人のうさぎさんは、カルシウム過多になることがあります。その場合は、尿路結石などの病気の元になってしまいます。特に蒸れた生のアルファルファは、毒性を帯びることも知られています。気をつけましょう。

 すべての牧草にいえることですが、十分に気をつけて、利点欠点などを理解した上であげてください。

||| 主な市販の牧草は? |||
 残念ながら、日本国内で入手できるものは、下の数種類だけです。それでも、以前に比べたら、はるかに種類が豊富になってきています。なかなか食べてくれないといううさぎちゃんには、いろいろな牧草を試してあげてください。

Timothy チモシー (和名:オオアワガエリ)
1番刈り  しっかりした太目の牧草。繊維質が豊富にあり、カロリーもCaも低い。うさぎさん他の草食動物さんにも食べさせることが多いため、流通量が多く、入手が容易。食べ放題OKで、もっともうさぎさんたちにオススメできる安全な牧草です。土壌などの違いか、国内産よりも外国産の物のほうががっしりしていて穂が大きいです。
2番刈り  1番に比べるとほっそりしていて、香りが高い。柔らかいのでベッドなどの床材としても流用可能。食べ放題OKです。茶色部分はおしっこが赤くなることもありますが、問題ありません。

Orchardgass hay オーチャードグラス (和名:カモガヤ)
 穂や葉っぱが多く、香りが高く、青々とした牧草。食べ放題OKで安全な牧草ですが、うさぎさんによって好き嫌いの好みが分かれるようです。

Italian ryegrass イタリアンライグラス (和名:ネズミムギ) |
Perennial ryegrass ペレニアルライグラス (和名:ホソムギ)
 柔らかく、食い付きも比較的良い。ペット用に販売されているものは大丈夫だと思いますが、イタリアンと称して、ペレニアルライグラスが売られている場合があるそうです。その場合は、中毒に気をつける必要があります。以下の「家畜中毒情報」さまサイトをご覧下さい。
■家畜中毒情報さま(http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/poisoning/)

Burmuda grass hay バミューダグラスヘイ(和名:ギョウギシバ)
 熱帯・亜熱帯原産の牧草。柔らかい香りの牧草で、ほっそりした感じ。食べ放題もOK。一般的に、サッカー場などのは芝生として有名。

Sudan grass hay スーダングラス
 香りが高く、柔らかめ。「ペット用の牧草」としては流通量はあまり多くない。生のものは青酸中毒などの可能性が知られているが、ごく若い時期の生草や霜などを浴びたものに見られるもののよう。HRS@San Diegoでは、食べ放題はオススメされていません。

Oats hay オーツヘイ (別名:カラスムギ・オートムギ)
 食い付きが抜群の牧草。カロリーも低めで、粗脂肪・粗蛋白が若干多めだが、牧草嫌いな子にはお勧めの牧草。しっかりとした茎を持っているが、残さず食べてしまう子も多い。食べ放題はあくまで「(穂を除く)茎の部分」だけにとどめておいた方が良いと思う。ムギ類の実(穂)の多量摂取は、腸内で異常発酵が起きる可能性もあるそうです。

Crain grass hay クレイングラス
 チモシーと同じイネ科ではあるものの、好き嫌いの好みがはっきり分かれる牧草のよう。繊維質はチモシーよりも多く、低カロリー、低カルシウム。嗜好性を考えなければ、よい牧草なのだが。

Tall fescue トールフェスク | Meadow fescue メドウフェスク
 それぞれ、ヨーロッパ原産。トールとメドウフェスクは似通った姿をしているが、トールフェスクのほうは葉っぱの端(葉耳)にうっすらと毛が生えていて、メドウフェスクは毛が生えていない。トールフェスクのほうは嗜好性には劣るものの比較的どの地域でも育つが、メドウフェスクのほうが冷涼多湿の場所を好む。

Kentucky Bluegrass ケンタッキーブルーグラス (和名:ナガハグサ)
 ほっそりした牧草で、一般的に嗜好性は高い。放牧や蹄害(踏み付ける)などにはとても強く、芝としても利用される。冷湿な場所を好むため、北海道などで放牧に用いられることが多い。

Reed canarygrass リードカナリーグラス (和名:クサヨシ)
 一般的に嗜好性が高く、飼料としても用いられることの多い牧草。放牧・サイレージ・乾草と多様な用途で用いられている。若い時期には青酸配糖体が含まれるが、十分に成長し刈り取られたペット用は安心だと思う。

Redtop レッドトップ (和名:コヌカグサ)
 あまり食い付きが良くないことや、開花後の質が落ちることから、あまり「飼料」としての流通は多くない。花の咲いていない若草の状態であれば、栄養価は高い。

Colonial bent コロアルベント(またはブラウントップとも。)
 飼料としての収穫量が多くないため、もっぱら芝生用として使われることが多い。

Alfalfa アルファルファ
 あげる際には注意が必要だが、上手く使えばとても栄養価の高く良い牧草。カロリー、Ca、たんぱく質などがイネ科に比べるととても多いため、成長期を過ぎたうさぎさんにはあまりあげないほうが良い。豆科の植物はお腹にガスを溜めやすいため、鼓腸症などに十分気をつけること。

 私個人的な考えとしては、チモシー以外の牧草を食べ放題にしてしまうことはあまりお勧めできません。最近は、食べない子のために、牧草を扱っているショップさんなども多種多様な牧草を扱い始めています。牛や馬で食べ放題で大丈夫だったからと言って、うさぎで本当に大丈夫なのでしょうか?同じ「草食動物」とはいっても、少なくとも、うさぎの消化の形態も腸内細菌も、牛や馬とはまったく違うことが分かっています。万が一のことなどを考えると、今までうさぎたちが食べなれた歴史があり、安全だったということが十分に分かっている「チモシー」以外の牧草を食べ放題にしてしまうことは、少し怖いのではないかと思っています。もちろん食べない子にとっては、きっかけになるかもしれませんので、すべてを否定してしまうつもりはありません。メインの牧草としてあげる場合には、十分に体調と相談しながらにしてあげてください。

||| 成分について |||
□市販の牧草の成分表(国内市販されているもの)
 市販されている牧草のパッケージに載っている成分表を集めてみました。何かの参考にでもなるでしょうか。
商品名 水分 粗蛋白 粗脂肪 粗線維 粗灰分 りん Ca kcal
ORIMITSU
ロングマット
1番刈りチモシー)
- 19 3.9 33.9 - 0.22 0.63 -
アラタ
若草1番
ロングマット
12.6 9.0 2.5 29.6 6.8 - - -
NPF
プレミアムチモシー
ローズマリー入り
9.87 11.58 1.79 35.68 6.0 - - 275.20



各種飼料の成分表(日本標準飼料成分2001年版より、抜粋)
掲載内容が膨大なため、別ページにてご覧ください



□HOUSE RABBIT HANDBOOK(3rd edition) P56 より、Energy,protein,fiber,and calcium in several feedstuffs per-once serving.is adopted from Rabbit Feeding and Nutrition (Cheeke 1987) with specifically rabbit values unless otherwise noted.

 (管理人注:米国本の成分表なので、日本で流通していて、入手可能なもののみを抜粋しました。すべて1ポンド毎、1987年のものです。日本語訳くらい、ご自身の責任で調べられると思いますので、英語のままで掲載しております。)
hays&grains dry mat
(%)
energy
(calorie)
protein fiber calcium
(%) (g) (%) (g) (%) (mg)
Alfalfa hay 90 51 15.3 4.3 27.0 7.7 1.35 383
Burmuda grass hay 92 47 11.0 3.1 27.6 7.8 .38 108
Clover hay red 88 50 17.3 4.9 21.8 6.2 1.28 363
Clover hay white 92 58 21.4 6.1 20.9 5.9 1.75 497
Oats grain 90 77 11.1 3.2 11.3 3.2 .03 9
Oats hay 88 57 7.3 2.1 29.5 8.4 .25 71
Orchard grass fresh 27 15 3.8 1.1 6.9 2.0 .07 20
Prairie hay* 92 47 5.3 1.5 31.0 8.8 .0 0
Ryegrass hay 89 59 3.8 1.1 33.0 9.4 .45 128
Sudan grass hay* 91 53 7.3 2.1 33.0 9.4 .50 142
Timothy hay 80 57 6.3 1.8 30.2 8.6 .20 57
Wheat straw 89 38 3.2 .9 37.0 10.5 .15 43
*United States-Canadian Tables of Feed Composition(not necessarily for rabbits)
※管理人注:1pound(1l,1lb)=453.6g


□クレイングラス成分表
 一般的に広まりを見せているチモシーよりもまだまだ新しい牧草であり、情報が少ないのが難点で、チモシーよりも食いつきが良くない場合もありますが、イネ科ということで、カルシウムもカロリーも低いと思いますので、今後注目な牧草だと思います。
粗蛋白質 粗繊維質 カルシウム マグネシウム
10.2 34.4 0.5 0.34
pet's-club さまより、情報を頂きました。現在は販売なさっていません。


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